はじめに

「羽根」と呼ばれるものはみな賢く美しい
「羽根」は人と同じ姿をとる
「羽根」は性別の分け隔てなく生まれる
「羽根」のもつ優れた能力は人間の域を超える
「羽根」は守られなくてはならない

そのために人間がいるのだ


世界観

人間の能力を超越した、人間ならざるもの「羽根」が存在し、国がそれらを管理し利用する世界。
「羽根」ひとつにつき政府の機関より【プロテクター】が派遣される。

「羽根」が常時その能力を最大限発揮できるよう、【プロテクター】は「羽根」の精神・体調・生活管理、
その他「羽根」についての全てを任される。管理の規定事項はとくにない。
「羽根」と【プロテクター】はパートナーとなり、国に属し、国のために働かなくてはならない。


キャラクター

蘭木【らんき】

「羽根」のひとつ。煤けたような薄い茶髪+鼠色の瞳をもつ。見た目は幼い少年のよう。
透視やサイコメトリーに近い優れた洞察力を持つ。いかなる状況でも冷静に観察し、その場を把握し認識することが出来る。その能力から主に警視庁に駆り出される。 性格はマイペースで自分勝手。人間を見下すような態度を常にとる。他の人間に比べればプロテクターである清依には懐いている様子。

@kyk_ykkw
「こんな簡単なことがまだ分からないの? 人間ってほんとバカだね! 愚かだね! あははは!」
「ボク、ほんとは知ってる。羽根がいちばん人間に近い生命体だってこと。だからボクは清依から逃げられないし、逃げてあげない」

加清依【かなだ・きよい】

蘭木のプロテクター。焦げ茶の髪+紺青の瞳をもつ。女。二十七歳。
基本的に無表情で、サバサバしている。たまにのんびりした面も見せる。 口の悪い蘭木を日常的に諌めているが、正直その言動についてはあまり気にしていない。 逆に、蘭木の洞察が間違っていることはないため、内心信頼をおいている。蘭木を叱ることのできる唯一の人間。

@hiroria17
「蘭木。刑事さんにいらぬ恥をかかせたら駄目って何度言えば……、あぁもう。叱られるのは私なのよ」
「忘れないで。あなたを生かしているのは、バカで愚かな、人間よ」

霞【かすみ】

「羽根」のひとつ。撫子色の髪+紫苑の瞳をもつ。見た目は二十代後半の女性。
絶対的な味覚と嗅覚をもち、それに関する情報を自然に読み取ることが出来る。主に麻薬の取締や違法取引などの捜査に駆り出される。 呑気で明るい性格。トラブル・事件好き。他の羽根に比べると非常にコミュニケーション上手。 しかし常に笑顔を浮かべており、感情の変化が表に出ない分、つかみどころがない。

@hidukin_ponzu
「事件がないとつまらないでしょ? 部屋にこもりっきりの毎日なんて嫌よ」
「もー、そんなこと気にしてたらキリがないわぁ。面倒事は全部人間の仕事! あたしたちはただ守られていれば良いの。ね、知登世」

紀和知登世【きわ・ちとせ】

霞のプロテクター。蜂蜜色の髪+褐色の瞳をもつ。女。二十二歳。
若いがしっかり者で几帳面な性格。たまに年齢相応にはしゃぐ。ポジティブ。 童顔ゆえに、霞と並ぶと親子のようだとよく言われる。 霞に絶対の信頼を置きつつも、たまに彼らが「人間」でないことを意識し、ふと畏れを抱く瞬間がある。

@tsukinobe  
「楽しいお話中すみませんけど、霞さん、はやいとこ支度してください!事件ですよー!」
「私は、プロテクターで、いまのままで居たいんです。ずっとこのままで良いんです。だって私、幸せなんですもん」

梔子【くちなし】

「羽根」のひとつ。漆黒の髪+蘇芳の瞳をもつ。見た目は十四歳ほどの少年。
優れた記憶力をもつ。視界に入ったもの、聞こえたもの、食べたもの、全てを分析し情報として記憶する。膨大な量の情報を正確に記憶するため、 国家機密などを管理することもある。現在国家の管理下にある「羽根」の中では一番多忙とされている。 表情の変化はあまりないが、よく喋り、よく食べ、よく寝る。

@syace00  
「情報を記憶するのは簡単なことではありません。人間にとっては。けれどぼくにとっては当たり前なのです。むしろ忘れることのほうが難しいのです」
「寺眞……。おなかが空いていては働けません……何度もそう言ったではありませんか」

寺眞信賀【てらま・しんか】

梔子のプロテクター。錆びた紺色の髪+水色の瞳をもつ。オカマ。三十四歳。
面倒見が良く世話焼きで構いたがり。しかしいざというときは至って冷静。頭の回転が早く、様々な視点から物事を判断出来る。 自他共に認める、変な柄のセーターとスーツが似合う非常にハイスペックなオカマ。上司部下関係なく好かれる。

@Tomoya_Ryo  
「ま、私がプロテクターなんですから、当たり前の結果ね。優秀なものが優秀なものを管理し利益を共有する、あぁなんて素晴らしいの」
「えぇ、もう食べちゃったの!? やっだあ梔子ちゃん……毎日こんなんでアンタどうして太らないのよ……」

小峯【みね】

「羽根」のひとつ。濁った浅葱色の髪+鈍色の瞳。見た目は十代の少女。
優れた視覚を持つ。「見えすぎる」ため、普段は眼鏡を着用し視力を落としている。人間には見えないものも見え、人間の嘘を特定することが出来る。 性格は優しいが、嘘つき。息をするように自然と嘘をつく。プロテクターである茶苗と二人きりのときのみ、嘘をつかない。

@kataru_peki  
「おじさん、嘘をついてる。……うそ。それもうそ。うふふ。良かったね、あのひとが正直で」
「うそって人間だけがつけるのよ。だからもう少し羽根を信用したほうが良いわ。……ふふ」

山路茶苗【やまじ・さなえ】

小峯のプロテクター。抹茶色の髪+漆黒の瞳。女。二十六歳。
のんびり、穏やかな性格。正直者で、無意識のうちに毒を吐くこともある。めったに怒らない。いつもふんわりとした笑みを浮かべている。 西の出身で、常に和服を身にまとっている。小峯の嘘をつく性質に関しては、自分以外の人間に対してならば気にしない。

@shioseyuuri
「小峯ちゃん、そろそろやめときなさいな。あちらも混乱してしまうでしょう」
「良いのよ、あれで。あのこはああやって、あのこの大事なものを必死に守っているのですから」


百【もも】

「羽根」のひとつだった。真っ白な髪+深い緑の瞳をもつ。
重みを操る力をもっていた。だれに利用されることも無かった。 最初の「羽根」だった。現在は国のとある場所で厳重に保護されているという。

@usui89   (オマケ:
「あなたはもう飛べない。羽根を仕舞ったのは、あなた。そして……仕舞った場所も忘れてしまった」
「約束も、永遠も、うつくしさも、この世界には存在しないのね」

天仁紫【あまに・ゆかり】

人間の少年。真っ白な髪+淡い紫の瞳をもつ。
【プロテクター】を派遣する政府の機関に所属しているが、現在担当の羽根はいない。 いつも不機嫌そうで、無愛想。カリカリしている。 普段から外出しているため、同僚やその他の羽根との面識は限りなく少ない。そのため謎の多い人物。

@mugi_voice  
「ぼくはアンタに仕えているわけじゃない! 分からないなら二度とここへは来るな」
「きれいなものは守られなくてはいけないんだ。だからぼくはあの日、決めたんだ」

寺眞里賢【てらま・りけん】

人間。錆びた紺色の髪+水色の瞳をもつ。眼鏡。三十八歳。信賀の実兄。
政府の機関に属する上官。たまに羽根たちを見に職場へ来るが、羽根からはなぜか嫌われている。 いつも飄々として、笑顔を絶やさず喋る。本心が全く見えない。甘いものが好きらしい。

@Enchou_null  
「そうハッキリ嫌いだと言われると、私もショックですねぇーはは」
「きみは何百年もそうやって、どうして――いつまで同じ場所に留まっていられるのでしょうねぇ」


用語解説

「羽根」

突然変異によって生まれたとも、人間が生まれる前から存在したとも言われている知能を持った生命体。
寿命はまちまちで、十年足らずでなくなるものも、百年以上生きるものもいる。
現在、政府の管理化にある羽根はおよそ50個。しかし未確認の羽根が数多に存在している。
人間に混じって生活するものも、自然の中で暮らすものもいるらしいが、国はその存在を特定できていない。

【プロテクター】

国に作られた「羽根」を保護する機関により派遣される人間。
政府の様々な部署から優秀な人材を探り、適正が認められたもののみが【プロテクター】となる。
適性が認められた場合、本人の意思に関わらず異動が強制的に確定する場合もある。


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